労務相談事例集Q&A 労働保険

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まず、雇用保険料の被保険者負担分についてですが、現在は、「賃金総額 × 
被保険者負担率 = 被保険者負担分(控除額)」という計算式で算出していますが、かつては社会保険料の算出時に用いられるような料額表によって決定されていました。現在のような算出方法となったのは、平成17年4月1日からです。
また、料額表に替わって被保険者負担率を用いて算出する方式となってからも、平成21年4月1日に雇用保険料率が変更されました。このように、雇用保険料の算出に関しては変遷がありますが、現在もかつての料額表を用いて雇用保険料を算出していたり、雇用保険料率が適切に変更されていない事業所が多く見うけられます。過去に遡って、どのような控除をされてきたのかを確認する必要があります。

なお、平成21年4月1日の雇用保険料率の変更は次表のとおりとなっています。雇用保険の一般保険料は適用事業所の事業の種類によって3種類に分かれ、被保険者の負担率も異なります。

改定されたのに気づくまで改定前の算出方法で計算をしていた場合は、違算分を調整する必要があります。

なお、平成21年3月31日「以前」に賃金締切日があって、同年4月1日以降に支払われた3月分賃金は、平成20年度の保険料算定基礎賃金として算入されますので、雇用保険率も改定前の保険率で計算します。逆に、平成21年3月31日「以後」に賃金締切日があって、同年4月1日以降に支払われた3月分賃金は、平成21年度の保険料算定基礎賃金として算入されますので、雇用保険率も改定後の保険率で計算することになります。

また、4月1日時点で満64歳以上である免除対象者については、雇用保険料は免除されるため控除できません。ただし、任意加入による高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者は免除対象とならないのでご注意下さい。

このように、法改正等によって控除額の誤りが発生する可能性がありますが、この種の誤りは従業員の会社に対する信頼関係に影響を与えかねないので、手続きは正確に行うことが必要となります。

雇用保険法では、原則として昼間学生は労働者として扱われないため加入義務はありません。ただし、夜間学生の場合は一般の被保険者と同様の取り扱いになります。

学校教育法第1条で規定されている「学校」の昼間の学部の学生、生徒等は雇用保険の適用事業所に雇用されていても雇用保険法上の労働者とは認められないため、雇用保険には加入できません。
これは、雇用保険の被保険者は「安定した職に就職している者」が対象であり、失業給付の受給も「賃金によって生活を維持する者、つまり離職した際に再就職の為、積極的に求職活動を行う者」が対象になります。一方、昼間学生の本分は「学業」であり、アルバイトは臨時内職的なものと判断され、離職した場合でも本分である「学業」に専念するという状態になる為、雇用保険法上の労働者(被保険者)としては扱われません。
なお、上記の取り扱いはあくまで昼間学生を対象にした取り扱いになります。夜間大学、定時制高校、通信制の教育を受けている者は、通常、継続的に雇用され、一般の労働者と同様に勤務しているとみなされるので、雇用保険の被保険者の要件に該当すれば被保険者となります。

ただし、昼間学生であっても雇用保険の被保険者となる場合があります。

(1) 卒業見込み証明書を有する者で、卒業前に就職し卒業後も引き続き当該事業所に勤務する予定の者
(2) 休学中の者、又は一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に在学する者であって、その事業において同種の業務に従事する通常の労働者と同様に勤務し得ると認められた者

したがって、昼間学生のアルバイトであれば(1)、(2)に該当しない限り、被保険者とはなりません。
また、社会保険については学生であることを理由に適用除外にはなりません。一定の要件さえ満たせば、被保険者となりますのでご注意ください。

雇用保険では、退職したときの年齢が65才未満の人は、退職した理由によって失業手当を受けられる日数が変わってくるのですが、自己都合や定年退職で退職した人は「一般の離職者」と呼ばれ、雇用保険の加入期間だけで、失業手当の給付日数が決まります。

一方で、会社のリストラや倒産でやむなく退職した人を雇用保険法上では「特定受給資格者」と呼んでいます。この特定受給資格者は雇用保険の加入期間と退職したときの年齢が考慮され、一般の離職者より、失業等手当の給付日数が手厚くされていることが特徴といえるでしょう。
雇用保険の加入期間が5年未満ではほとんど差がありませんが、5年以上になると差が歴然と出てきますのでご注意下さい。

<会社都合による退職のケース>

-
-雇用保険加入期間(=被保険者期間)
退職時の年齢1年未満1年以上5年以上10年以上-
-5年未満10年未満20年未満20年以上
30 才 未 満90日90日120日180日
30才以上35才未満90日90日180日210日240日
35才以上45才未満90日90日180日240日270日
45才以上60才未満90日180日240日270日330日
60才以上65才未満90日150日180日210日240日

<自己都合による退職のケース>
-雇用保険加入期間(=被保険者期間)
退職時の年齢1年未満1年以上5年以上10年以上-
-5年未満10年未満20年未満20年以上
年齢に関係なし90日90日90日120日150日


また、ハローワークにおいて特定受給資格者と認められる人は「倒産により離職した人」と「解雇などにより離職した人」を言いますが、御社の従業員の場合は前述の「解雇などにより退職した人」として受給を受けることとなりますので、離職票作成の際にはきちんとその理由を明記してください。尚、以下に倒産と解雇の離職者について書き出してみましたので、参考までにご覧下さい。

<倒産などにより退職した人>
1.倒産によって退職した人。倒産とは、事業所の倒産、民事再生、会社更生などの倒産手続きの申し立てや、手形取引の中止をいいます。
2.事業所の従業員の雇用状況が大きく変わった場合(1カ月間に30人以上の退職予定者がいる)の届出がされ退職した人。
あるいは、その事業所の従業員の内、雇用保険に加入している1/3を超える人が退職したため、やむなく退職した人。
3.事業所の廃止や縮小によって退職した人。
4.事業所が移転したために、現在住んでいるところからの通勤が困難になり退職した人。

<解雇などにより退職した人>
1.リストラによって退職した人。ただし、本人の重大な過失で事業所に大きな不利益をもたらしてリストラされた人は除きます。
2.入社時に提示された雇用条件と実際の雇用条件がはなはだしく違っていたため退職した人。
3.給料の1/3を超える額が連続して2カ月以上支払われなかったため退職した人。
4.給料が85%未満に下がったために退職した人。ただし、そのことが想定できなかった場合に限られます。
5.退職前3カ月間で各月45時間を超える時間外労働があり退職した人。
6.生命や身体に関わる法律違反について、行政から指摘されていたのに、事業所がそれを改めなかったために退職した人。
7.事業所が従業員の職種転換のときに、継続して働けるような配慮を行なわなかったために退職した人。つまり、今まで経験のない職種に配置転換になったのに、経験者と同じノルマや技能を要求されたときなど。
8.雇用契約が1年以内の従業員が3年以上雇用され働いているのに、当初の雇用契約を、更新してくれないため退職した人。
9.上司や同僚からセクハラを受けたり、酷い冷遇、嫌がらせを受けて退職した人。
10.事業主から直接又は間接的に、退職をせまられ退職した人。ただし、早期退職優遇制度を利用して退職した人は除きます。
11.事業所が法律違反などにより、3カ月以上休業になり退職した人。
12.事業所の業務が法律に違反しているため退職した人。


また、平成21年の法改正で雇い止めとなった非正規労働者に対するセーフティーネットが強化され、一般の離職者と区別されるようになりました。平成21年3月31日より後に期間の定めのある労働契約が更新されず、本人が契約更新を希望したものの、契約更新がなされなかった人が離職した場合、<特定理由離職者>となります。
今後、事業主は期間雇用の退職社員が出た際は、本人に延長の意思があるかどうかを確認する必要性が出てきますのでご注意下さい。
なお、特定理由離職者に関しては被保険者期間が通常の12ヶ月の半分の期間、つまり6ヶ月以上あれば受給ができ、また失業等手当の給付日数が手厚くなる場合があります。さらに詳細を知りたい企業様はご相談ください。

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