労働保険
現在の船員保険では、職務上疾病や年金について一般の健康保険よりも手厚いものとなっていますが、平成22年1月以降もその給付水準は保たれるのでしょうか?
ご安心ください。船員労働の特殊性を踏まえてこれまでの水準は維持されます。職務上疾病・年金に関する部分は労災保険制度から給付されますが、それでカバーできない部分については船員保険制度から給付(上乗せ給付)することとしています。
【船員保険による主な上乗せ給付】
①雇入れ契約存続中に職務外の事由による傷病を負った場合、下船後3ヶ月間は職務外傷病の療養費用として10割を負担
②職務上の傷病について4ヶ月間は100%の所得保障を実施
―労災から休業(補償)給付を60%、船員保険から特別手当金として40%が給付される(注:上限の保障を100%とするため、労災から特別給付金20%が支給される場合は、船員保険の特別手当金は20%となる。また、それぞれの計算の根拠となる日額は労災保険、船員保険ではそれぞれ異なる場合があるので注意が必要)
③職務上の障害に対する年金の最低保証(「障害差額一時金・障害年金差額一時金」)
―障害年金が障害の改善又は受給者の死亡により停止する場合に、累積支給額が最低保障額未満のときは、その差額を一時金として支給する
④行方不明手当
―職務上行方不明となったとき、3ヶ月間100%の所得保障を実施
⑤職務上の死亡に対する年金、一時金の最低保障(「遺族一時金・遺族年金差額一時金」)
―遺族年金が受給者の死亡により停止する場合に、累積支給額が36月分に満たないときは、その差額を一時金として生計を維持していた受給権者へ支給。また遺族一時金は36月分が支給される
なお、この船員保険の上乗せ給付のうち、上記②③⑤は労災保険からの給付が行われることが前提となります。船舶所有者の方々は、労災の特別加入制度に加入しなければ給付は受けられませんのでご注意下さい。また、現在すでに職務上疾病・年金部門で給付を受けている方は、平成22年1月以降も改正前の船員保険法に基いて給付を受けることになります。詳しい内容については当会ホームページをご参照下さい。