労務相談事例集Q&A 労働保険

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届出等は具体的に事態が進んでからとなりますが、労働保険料の申告には注意が必要です。

 新工場の労災保険の成立や、新たに雇う従業員の保険加入など、また業務拡大に伴って、売上高が大きい品目が変わる場合には、労災保険の業種を変更しなければならない可能性もありますが、いずれの手続きも実際に設置、採用が行われてからとなります。現状ではその準備を行うことで問題はないでしょう。

 ただ、労働保険料については注意が必要です。年度更新前に来年度末までの総賃金額が昨年度よりも大幅に増えることが見込まれるときには、それを見越した額で概算保険料の申告をしておく必要があります。
 概算保険料と確定保険料との間に大幅な不足が生じた場合、その差額(確定不足額)は金額にかかわらず第一期保険料とあわせて一括で納付しなければなりませんが、概算でそれを見込んだ額を申告すれば分割で納付※でき、確定不足額が発生しても莫大な金額になることを回避できます。

※概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合、または労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合は、原則として労働保険料の納付を3回に分割する事ができます。

平成29年1月1日付で資格取得手続きが必要です。

ご質問の通り、平成29月1月1日より65歳以上の方も雇用保険の適用対象となります。(1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用見込みがあることが前提です。)

具体的な資格取得時期については以下の通りです。
今回のご質問のケースはAに該当します。

@平成29年1月1日以降に新たに雇入れた場合
 ⇒ 雇用した時点から資格取得手続きが必要です。

A雇入れ時65歳以上の為、雇用保険に加入していないが、平成29年1月1日以降も継続して雇用する場合
 ⇒ 平成29年1月1日付で資格取得手続きが必要です。
  ※ 平成29年3月31日までに届け出を行わなければなりません。

B雇入れ時65歳以上の為、雇用保険に加入していないが、平成29年1月1日以降に労働条件の変更により雇用保険の加入要件を満たすことになった場合
 ⇒ 雇用保険の加入要件を満たしたときからの資格取得手続きが必要です。

 今回の雇用拡大で被保険者となった方を含め、雇用保険料の免除制度は廃止されることとなりますが、激変緩和措置として平成31年度分までは毎年4月1日時点で満64歳以上である方についての免除制度は継続されることとなっています。

取締役等の役員であっても労働者性が強い場合には、雇用保険に加入できる場合があります。

取締役等の労働者性については、労働時間、報酬、従事している業務内容等で判断されます。
従って、ハローワークへ兼務役員の雇用実態証明書、定款、取締役会議事録、出勤簿やタイムカード、賃金台帳、決算書類、就業規則、組織図等を届け出ることになります。
※ハローワークによって異なります。

ちなみに、労働者は通常給料で報酬が支払われますが、取締役の場合は役員報酬で支払われます。従って、労働者性が強いと認められるには、少なくとも報酬の2分の1以上が給料で支給されている必要があります。

以上のように、取締役等であっても、総合的に労働者性が強いと認められれば、雇用保険に加入することができ、退職後に失業等給付を受給することも可能となります。

平成28年4月20日

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