労働保険
弊社は社員数30名ほどの食品卸業を営んでいます。平成25年4月より65歳まで希望者全員の継続雇用が義務化されたとのことですが、弊社の就業規則では60歳定年とのみ記載があり、継続雇用についてはこれまで定めていませんでした。この度、はじめて60歳定年となった社員がいます。継続雇用についてそれとなく本人の希望を確認したところ、しばらく仕事はしたくない、と言っています。この場合の退職理由は『定年退職』でいいですよね?
今回のケースは『定年退職』ではなく、『会社都合による退職』となります。就業規則に継続雇用に関する記載も無く、また継続雇用という制度があることを知らなかった(知らせなかった)為に60歳で退職した、とみなされます。
なお、就業規則に継続雇用に関する記載があるものの、定年後の継続雇用を本人が希望しなかったときは『定年退職』となります。
ちなみに、就業規則の作成をしていない社員数10名未満の会社や、慣例として継続雇用を実施しているが就業規則に継続雇用に関する記載が無いといった場合の取扱いは、その実態を基にハローワーク窓口で個別に対応することになります。
この場合、継続雇用制度についての周知を図っている事実を確認する書面が何もありませんので、会社が『定年退職』であるとして退職の手続きをしたとしても、会社と退職者の言い分が異なる場合は『会社都合による退職』という判断になる可能性もあります。
『定年退職』『会社都合による退職』、受給する退職者にとってはいずれも『自己都合退職』のような3か月間の給付制限はありませんが、給付日数に大きな違いがあります。また、助成金等を申請・検討している場合は、受給要件に影響する場合があります。早急に就業規則の見直しをお奨めいたします。